血液型の検査 (2018.01更新)

ABO式血液型検査の必要性について

時々、「血液型の検査はした方がよいですか」というご相談があります。
保育園や幼稚園の入園の時には血液型を調べておかないといけないのでしょうかというご相談もあります。
結論から言えば、検査をする必要はありません。

血液型とは?

そもそも、血液型とは、血液内にある血球の持つ抗原の違いをもとに決めた血液の分類のことで、抗原は赤血球・血小板・白血球・血漿などに数百種類が存在し、その組み合せによって決まる血液型は数兆通り以上という膨大な数になります。

ABO式血液型

よく知られているABO式血液型は赤血球の表面にA抗原、B抗原がでているかどうかで分類したもので、赤血球による血液型分類法の一つです。A抗原だけでているのがA型、B抗原だけでているのがB型、両方でているのがAB型、どちらもでていないのがO型です。

輸血をする際には

輸血をする際には血液型の不適合があると重大な問題を引き起こすことがありますので、輸血をする前には血液型の検査をして適合した血液を輸血します。輸血をする可能性がある場合(手術前など)や病気の診断で必要な場合は血液型の検査を行いますが、それ以外のことで血液型を知っておく必要性はありません。

では万一輸血をするような場合に備えて、血液型を知っておかないといけないでしょうか。
いいえ、輸血が必要な場合、病院では自己申告の血液型をうのみにして検査せずに輸血をすることはなく、必ず検査をします。検査の時間もない大出血の場合は血液型不明な場合の輸血方法のガイドラインがあり、それに従って輸血します。なので、事前に知っておかねばならない必要性はありません。

保育所や幼稚園の書類に血液型の欄があっても、空欄にしておけばよいことです。(なぜ、保育所や幼稚園の書類や名札に血液型の欄があるのかは謎です。記入欄をなくしてもらうように、あちこちで機会があるごとにお願いはしているのですが…)。

血液型検査について

血液型検査は血液が3~5cc必要ですので、注射器で採血をすることになります。子どもにとって不要な検査を、痛い思いをさせてまでする必要はないと考えます。
(なお治療上必要のない検査は健康保険の適応からはずれますので、全額自費になります。)